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Column
シャトー・ヴィニョル/ボルドー・ルイジアンヌ 2016
ワインテイスティング

シャトー・ヴィニョル/ボルドー・ルイジアンヌ 2016

【品種構成】
メルロー 100%

 前回の「シャトー・ヴィニョル/ボルドー・ブラン 2021」が非常に美味しかったので、今回もシャトー・ヴィニョルのワインを試飲致しました。

 やはりボルドーの主役たる赤ワインを無視する事は出来ません。今回試飲するワインは、インポーターが輸入しているヴィニョルのワインの中では最上級キュヴェとなる「ルイジアンヌ」です。

 中世よりワイン造りの歴史を綴るシャトー・ヴィニョルの最上級赤ワイン。一体どんな味わいなのか、非常に楽しみです。

 輝きを湛えたガーネット色のワインがグラスに映えます。濁りは見られず、澱は落ち着いているようです。縁の赤色は少しレンガ色への変化が始まったように見えます。ちょうどいい熟成具合かもしれません。

 香りの第一印象(アタック)は優しいトーストやカラメルの香り、それに黒系果実を煮詰めたような香りが混じります。香りのどれかが突出しているという印象はなく、穏やかなにまとまっています。

 空気に触れさせる事で、ブルーベリーを煮詰めたような香りやクローヴを思わせるスパイスの香りが現れました。

 口に含むと、柔らかな果実味が滑らかなタンニンと共に広がります。仄かな甘味とほどよい酸味が心地よく、果実味と香りの複雑さが相まって飲み飽きません。

 全体としては落ち着いた味わいで、上品さを感じられます。ほどよい複雑さと果実味を持ったボルドーの赤ワインでした。6年を経た熟成感が高級さを醸し出しており、更にもう少し熟成できそうです。

 シャトー・ヴィニョルのトップキュヴェという事ですが、現在のところ税込みちょうど3000円程度で楽しめます。こういったコストパフォーマンスの高さも、中世ヨーロッパ時代から愛され続けている魅力なのでしょう。

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