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Column
ドメーヌ・バルディ・ダルキエ/ラ・メゾン・ジョンヌ 2018
ワインテイスティング

ドメーヌ・バルディ・ダルキエ/ラ・メゾン・ジョンヌ 2018

品種構成
グルナッシュ 60%
シラー 30%
ムールヴェードル 10%

 今回は高級赤ワインを試飲しました! ドメーヌ・アルキエはラングドック地方のグラン・クリュと呼ばれる「フォジェール地区」にドメーヌを構えています。この地区の中でも、アルキエは丘の頂上という最高の立地に畑を持っているのです。この畑から造られるワインは優れた味わいをもっており、彼が造る一番下のランクのワインからその味わいを楽しむ事ができます。

 美味しいワインとは、味や香りが良いのは勿論の事、長い余韻という物も必須条件です。そしてこの余韻の長さが、なかなか低価格ワインには出てこない要素だったりします。この余韻は素材となっているブドウの質に起因するものと言われており、良質な土壌や恵まれた天候、栽培人の確かな技術が重なり合い生まれるものなのです。

 「ジャン=ミッシェル・アルキエ」氏は、ラングドックの一等地という場所にあぐらをかく事なく、誠実な農作業、そしてワイン醸造を続けてきました。今回試飲したワインは、そんな彼の作品の中でもメインラベルとなっている物です。(アルキエ氏は現在ご高齢の為、後任の若き情熱家チボー氏に引き継ぎをしています)。

 色調は深いガーネットをしており、光沢があります。縁はスカーレットの色合いでまだまだ若いワインであるという印象を受けます。

 香りの第一印象(アタック)に、ラズベリーやチェリーを煮詰めたような甘やかな香りが柔らかく芳醇に感じ取れます。仄かなスパイスのニュアンスに、白檀を思わせる香木の上品な香りもあります。空気に触れさせる事で果実の香りがより一層膨らみ、なめし皮の香りや紅茶と言った複雑な香りも顔を出します。

 こうなると味わいも素晴らしいものに・・・ と思いきや、渋さが先行し果実の甘味があまり感じ取れません。凝縮感やコク深さは分かりますが、香りから感じたような果実感や複雑味は出ていませんでした。

 いわゆる「ワインが固い」状態です。

 という訳で、時間を置いて再度試飲致しました。中身が95%以上残っている状態でコルクを閉め6時間経過しております。

 グラスに注いでみると、香りに変化は無いように感じられます。
 肝心の味わいですが、こちらは大きく変化がありました! まだ渋みが先行しがちですが、果実の濃密な味わいが溶け出し、深い甘味や酸味が口中に広がります。余韻には香りで感じたような煮詰めたベリーやスパイス、香木のニュアンスが馥郁として現れ、長く心地良く楽しむ事が出来ました。

 しっかりしたタンニンが味わい全体を下支えしており、ワインの重厚さを演出すると共にこれからの熟成を期待させます。
 重く濃い味わいなのに、何度でも飲みたくなる! そう思わせてくれる素晴らしいフルボディワインでした。

 今から楽しむのは勿論、寝かせる楽しみもあるワインです。
 お料理は是非レストランで。羊やサシのある牛に、非常に良く合いそうです。

 造り手の詳細はこちら
 https://midoriya-saketen.co.jp/articles/584/

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