Midoriya Vin Nature
Domaine
ドメーヌ・バルディ・ダルキエ
ラングドック地方

ドメーヌ・バルディ・ダルキエ

歴史について
 1870年に葡萄園を手に入れカーヴを建てたのは、前オーナーであるジャン=ミッシェル・アルキエの曾々祖父でした。曽祖父が蔵を引き継いで徐々に大きくしながら経営しました。
 1920年初め、祖父はパリからヴァカンスのためにフォジェールに来た祖母と出会い結婚。祖母はパリでの暮らしを希望したので、祖父はその意向に沿ってパリに移り住むことにしました。1920~25年頃、パリで祖父はネゴシアンの会社を設立。ドメーヌは一部を賃貸に出しながらも、常に家族が所有していました。先の大戦で祖父は召集され出兵すると、ドイツ軍の捕虜になってしまいます。1946年開放された祖父は、フォジェールとパリを行き来しますが、戦争のためか健康を損ねた祖父は1950年に亡くなってしまいます。

 彼の父は翌年1951年にネゴシアンを売却してフォジェールでワイン造りをすることに決意します。パリではなく、フォジェールでワイン造りを決めたのは、ネゴス事業が上手くいかなくなったという理由ではなく、祖父を見てきて、父なりに考えた生き方の選択でした。

 その伝統あるこのドメーヌを引き継いだジャン=ミッシェルの父は、潅木の生い茂る荒れた土地を買い取り、まずシラーやムールヴェードル、グルナッシュ・ノワールを植えました。この地方ではカリニャンなどの地元品種以外はまだ珍しかった頃の事です。ジャン=ミッシェル・アルキエがこの仕事を始めたのは21歳の時で、1980年から1996年まで弟と一緒にワインを造っていましたが、ヴェロニック婦人との結婚を機にジャン=ミッシェルが後継ぎとなりました。彼は流行に流されないワイン造りを続けていました。
 ジャン=ミッシェルさんは2018年に引退しました。今後少なくとも3年間はドメーヌに残って引継ぎをしています。

地理について
 ラングドック地方の中でも標高の高いフォジェール地区。「ドメーヌ・バルディ・ダルキエ」はその中でも約200mという高地に位置しています。地中海性気候のラングドック地方はフランスでも暑い地域ですが、フォジェール地区は標高が高いため、風通しが良く涼しいです。そのため完熟しても良質の酸が残り、ワインに上品さを与えています。
 葡萄畑は日照に恵まれた南向きの斜面にあります。この丘はラルザックという山脈の支脈にあたり、その麓に広がっているのがエロー県です。

気候について
 山の風の通りが良くて涼しく、土壌の影響により良質な酸味を持ったワインが産まれます。

土壌について
 小石の多いシスト土壌で、ミネラル度が高いワインが産まれます。                                                  すぐ粉々に砕ける岩石で葡萄の根が通りやすいため、乾燥している時期でも水分を充分に吸収することができるのです。

栽培について
 自然な農法を実践し、広い斜面の草は生やしたままにしています。病気対策としては粉末硫黄を撒布します。全体に収穫量を抑えて葡萄の果実味を濃縮させます。
 長年に渡る環境に配慮した農業と生産システムが認められ、2019年、HVE認証(=Haute Valeur Environnementale フランス農業・食料省による高環境価値認証)の最高レベル3を取得しました。

収穫について
 手摘みで収穫します。赤ワイン用の葡萄は非常に良く熟している場合以外は除梗します。

品種構成について
黒ブドウ:Syrah(シラー)、Grenache(グルナッシュ)、Mourvèdre(ムールヴェードル)

白ブドウ:Marsanne(マルサンヌ)、Roussanne(ルーサンヌ)、Grenache Blanc(グルナッシュ・ブラン)、Sauvignon Blanc(ソーヴィニヨン・ブラン)

平均樹齢は20年です。

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