Midoriya Vin Nature
Column
サンティエ・ド・バガテル/ドナデュー・ルージュ 2019
ワインテイスティング

サンティエ・ド・バガテル/ドナデュー・ルージュ 2019

【品種構成】
Syrah (シラー) 50%
Mourvèdre (ムールヴェードル) 20%
Grenache (グルナッシュ) 15%
Carignan (カリニャン) 15%

【生産者情報:クロ・バガテル】
https://midoriya-saketen.co.jp/articles/517/

 みどりやを代表する造り手、クロ・バガテルの赤ワイン「ドナデュー・ルージュ」の新ヴィンテージが届きましたので、状態を落ち着かせてから試飲してみました。

 クロ・バガテルはみどりや酒店とかなり深く繋がっているワイナリーです。最初の出会いは2001年。それから20年以上、毎年ワインを輸入させて貰いまた何度もワイナリーを訪問させて頂いている、とても信頼の置ける造り手です。

 彼は南フランス、ラングドック地方のサン・シニアン村にドメーヌを構えています。彼のワインの特徴は、なんと言っても芳醇なガリッグ! クロ・バガテルのワインからは、芳醇な野生のハーブの香りが感じられるのです。

 その理由は彼が持つ畑にあります。彼の畑はローズマリーやタイムと言った野生のハーブに囲まれているのです。その香りがブドウ栽培や醸造を通してワインに移り、私たちの感覚を楽しませてくれます。

 ちなみに、今回のワインは隣の「ドナデュー村」の畑のものですが、もちろんこちらの区画も野生のハーブに囲まれています。

 さて、試飲を開始しましょう。

 ワインの色調は濃いルビー色をしています。2019年ですので縁も若々しさを思わせる鮮やかな赤紫色をしています。

 煮詰めたプラムやクランベリーの芳香が力強く香り、コショウを思わせるスパイシーな香りと持ち前のガリッグの香りが、ワインをより一層華やかなものに仕立てています。

 口に含むと、プラムやクランベリーに加えてブルーベリージャムの果実味がハッキリと現れ、豊かな味わいが広っていきます。タンニンは細かく、滑らかな口当たりを演出しています。酸味はやや強めながら、果実のジャム感をたっぷり感じられる事で、寧ろ全体を引き締める役割になっています。その為、過熟した果実の甘さにダレる事なくワインを楽しむ事ができます。

 煮詰めた果実とハーブの余韻が心地よく、この価格帯のワインとしてはかなり長めに余韻に浸る事が出来るという点もポイントです。

 このキュヴェは木樽を使っておらず、また彼のメイン・キュヴェである「ア・ロリジン」よりも果実味が濃厚です。クロ・バガテルの素晴らしいブドウの味わい、そしてガリッグの香りをよりしっかりと味わうならば、このドナデュー・ルージュはまさに打って付けのアイテムと言えるでしょう。

小林


コラム一覧へ