
13日の会 ~ブレンダン・トラセイ~ @めくる
ブレンダン・トレシーBrendan TRACYは、アメリカ人のお父さんとフランス人のお母さんの間で生まれた。
ブレンダンは、若き頃アメリカのカリフォルニアに生活していた。
1979年には、パンク・ロック・ミュージックのグループ、“THE INSULTザ・インシュルト”という名の人気グループのギター兼ヴォーカルとして活躍していたのである。に所属していて、レコーダーも出していた。そこではギターとプロ歌手として活躍していた。

当時、カルフォルニアでは、パンク・ロック・ミュージックは若者達の生き方を示す社会現象の象徴的な存在でもあった。
当然、ブレンダンは大変なエネルギーをもって活動していたのである。
かなりの人気をはせていたようである。(本人曰く)

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このエネルギッシュに生きたカリフォルニアでの生き方が、つまりより佳くエネルギッシュに生きる生き方を追求する経験が,後に自然派ワインの世界にはいる大きな切っ掛けにもなっているのである。
その数年後、お母さんの母国フランスに戻り、ロワール地方のブロワ城で有名な街BLOISに住むことになった。
当初は、FMラジオ関連の番組のディレクター兼ジャーリストとして活躍していた。

ジャーナリストとして、ロワール地方の農業者や自然派ワインを造る醸造家達とも知り合いになった。
特に、自然派ワインの造り手達のエネルギッシュな生き方と醸造家同士の結束の度合いや、お互いに尊重しながら助け合っている生き方に感動していた。

その上、ワインを造りながらも、地球の大地、土壌を健全にして、そこに住む微生物達とも繋がり、強いては太陽や宇宙の動きと共に農作業することなどを知り、世の中の多くの人々と関わりながらより佳い生き方を追求する生き方に感動していった。
ロワール地方には、自然派ワインのレジェンド級の造り手が多い。
例えば、Thierry PUZELATチェリー・プゼラ、Michel Auge ミッシェル・オージェ、Jean-Pierre ROBINOTジャンピエール・ロビノ、そして一番近所にあのPascal Simonittiパスカル・シモヌッティが居たのである。
彼ら自然派ワイン醸造家達のまるで家族のような結束力、協力関係など、お互いに困ったことが起きた時は、皆で助け合うようなチームワークに感動していた。

そして、何より、彼らが造るワインの美味しさ!に心から感動していた。
いよいよ2010年、ブレンダンは人生を変える決意をした。
自然派ワインを造る醸造家になりたい意向を伝えると、多くの醸造家がまるで家族のように全面的に協力してくれたのである。

まずは、買い葡萄を買ってワインを造る方法を選んだ。
醸造に関しては、近所のパスカル・シモヌッティが全面的に協力してくれた。
当初はパスカルに張り付いて自然派ワイン醸造方法を学んだ。

パスカルはブレンダンにとっては“神さま”のような存在だった。
ブレンダンにとってワイン造りは決して楽ではなかった。
造っても、造っても失敗の連続だった。
出来たワインが酸敗したり、異常に臭かったり、とても売り物にはならなかった。
仲間の醸造家が、それぞれの国のインポーターを紹介してくれて、輸出も始まったけど、欠陥品として、送り返されたことが何度もあった。
3年の歳月がかかった。

苦労したかいがあって、今では群をぬいて美味しくなっている。
ワインの先生は、あのPascal Simonuttiパスカル・シモヌッティ。
8年間の経験を積み重ね自信もついてきた。師匠のパスカルを凌ぐほどの実力をつけた。
Pineau d’Aunisピノ・デゥニースなどはまるでパスカルのスタイルに似ている。
ブレンダン『私にとってパスカルは神様だ。』と謙虚に語る。
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ブレンダン・トラセイの息子、ショーンさんの話です。
ショーンさんは、トゥールのコールセンターで7年間働いていましたが、
父親のブレンダンさんにドメーヌを継ぐ気はないかと声をかけられ、
引き受けることに決めたそうです。
キャリアを変え、ブドウ畑の知識とワイン造りの基礎を固めるため、
農業学校へも通いました。
2017年から父親と共に働き、ドメーヌの経営を徐々に引き継いでいます。
このドメーヌはブドウ畑は所有していませんが、信頼できる農家と
長年一緒に仕事をしています。

2023年は、幸いなことに春先に霜の被害が無く、9月に大雨が降りましたが、
ブドウはまだ完熟していなかったのでもう少し収穫を待ち、
一番良い時に収穫をすることにしました。
結果、収穫量にも恵まれました。
収穫は12~13人で行いました。
ブドウ畑までは車で1時間かかることもあります。
父親のブレンダンさんはパンク・ロックが好きなことで有名で、
自身でもバンド活動をしていましたが、ショーンさんは、パンクより
シンセサイザー音楽と1990年代のエレクトロニックミュージックが好きなので、
近い将来、エチケットも自分の好みに変えようと思っています。
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2024年ヴィンテージ情報
ロワール地方では、2024年は収穫量において例外的に悪くなることが予想されます。
5月以降、過度の雨が降り続きました。
この雨は、開花期の著しい花振いとカビによる病害を引き起こしました。特にベト病です。
多くのヴィニュロンたちは、例年の25%の収穫量しかないと見込んでいます。
現在も雨と風が続いています。
これは良いコンディションでの収穫に問題をもたらし、収穫されなかったブドウがその場で痛んでしまうリスクがあります。
品質に関しては、2024年ヴィンテージは素晴らしく、特別に良好であることが予想されます!

1株あたりの房数が少なく、ブドウが小粒のため、果実味とタンニンがより凝縮しています。
pHは約3.04、平均総酸度は6で、良好な醗酵を得るのに理想的な比率です。
そして最終的な結果は、ヴィニュロンの才能、収穫時の選果、テロワール、ブドウ品種、要するに、すでにご存知のすべての要因によって決まります。
今年の量的な不足を補うのに、心配する必要はありません。
2022年と2023年の素晴らしい収穫のおかげで、瓶詰めされていないワインの在庫があります。
私たちはワインをバリックやタンクで少し長めに熟成させているところです。
来年、これらのワインを皆さんと共有できることを願っています!
