ミレーヌ・ブリュ／ソレイユ・ド・ニュイ 2020
MYLÈNE BRU / Soleil de Nuit
カリニャン 70％
サンソー 30％
またひとつテンションが凄まじく上がったワインに出会いました！
それは南フランス・ラングドックの地で、理想のワインを追い求めるミレーヌ・ブリュさんが造る「ソレイユ・ド・ニュイ」という赤ワインです。
先に言ってしまうと、香りや味わいの要素は多く有りません。ですのでテイスティングコメントがどうしても薄くなってしまう事をご承知下さい。
しかし！
しかし非常に良かったのです！ 美味しさが少しでも皆様に伝わればと思い、テイスティング記事にさせて頂きました。
さてミレーヌ・ブリュさんですが、この方はブドウ栽培家の家系に生まれました。そのため幼い頃からブドウ栽培そしてワインに触れながら育っており、早い時期から将来の夢をワイン造りとしていたそうです。
しかしながら、当時ワイン造りは男の世界という事で、ワイン造りをさせてもらう事はできませんでした。それでもワインに関係した仕事をしたいと思った彼女は、パリの或る団体に所属しワイン講師として働くのですが、ワイン造りへの思いは強まる一方・・・
そんな彼女がついに理想の畑に巡り合います。2007の春、南フランスの地にある野生のハーブに囲まれた畑でした。全ての迷いや不安がなくなった彼女は、これまでに膨らんだ情熱を全てワイン造りに費やしています。
今回試飲したソレイユ・ド・ニュイは、彼女の中でも最新作に分類されるキュヴェです。
綺麗な濃いルビー色を湛えたグラスを回すと、完熟したクランベリーやラズベリーの香りが一気に広がります。まるで両手いっぱいのベリーがグラスの中に詰まっているようです。ほんのり、赤く小さい花やスパイスのニュアンスが感じられます。
口に含むと、凝縮感のある果実味がゆったりと広がります。まろやかな甘味と鮮やかな酸味が美しく、溶け込んだ渋味は滑らかな舌触りを演出しています。驚くほどのコク深さが長い余韻をもたらし、完熟したベリーの味わいをたっぷりと楽しめます。
チャーミングでありながら強さを感じ、優しさと深みを感じるこのワインは、まさにミレーヌ・ブリュさんそのものを表現していると言っても過言ではないでしょう。
彼女だから出来た、そんなワインに感じます。
ワインをテイスティングする時によく畑や人を想像すると言いますが、これほどまでに造り手に重なって見えたワインは初めてです。
現地フランスでも人気が更に高まっており年々値上がり傾向のあるミレーヌ・ブリュのワインですが、どこかで皆さんとこのワインを共有したいですね！
小林