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ぶどうの収穫〈手摘みと機械摘み〉
ワイナリー

ぶどうの収穫〈手摘みと機械摘み〉

「このワインは、手間暇かけて手摘みで収穫した葡萄が原料です!」
こだわりの特別なワインは、しばしばこのように言われることが多いようです。
大まかに、低価格帯のワインは機械摘み、プレミアムワインは手摘みといった考え方。

数年前、収穫体験をすることで、「必ずしもそういうことではないんだなぁ。」と新しい発見がありました。

南フランス ラングドック地方、モンペリエから西へ約40キロのあたりにある家族経営のワイナリー「ドメーヌ・ド・ラルジョル」があります。
幸運にも、そこで約1週間住み込み、蔵の仕事を体験させて頂く機会に恵まれました。

9月16日のまだ真っ暗な朝、蔵を出発。メルロ種が植わるある区画の葡萄を手摘みで収穫しました。各々担当の区画、畝に入り完熟した葡萄のみ、収穫バサミを使い収穫します。
写真でもわかるようにカビなどは一切ありません。
なんと!この葡萄は、手間がかかっているのに、デイリーに飲める低価格帯のワインに使われます!
摘み方のポイントは、傷が付いてしまった葡萄、過熟してしまっている葡萄、これ以上待っても健全に熟さない未熟な葡萄は、全て取り除きます(切り落とします)。
そこからがビックリ。まだ完熟していないけれど、もう少し待ったら素晴らしい葡萄になる房を、風通しが良いように数房残し、それを7〜10日後の最も良いタイミングで、機械で一気に収穫します。
これがすごいワインになるんです!

特に南フランスでは機械摘みが有効だと聞きました。
完熟した絶妙のタイミングを逃すことなく一気に収穫できるからです。
温暖な南フランスでは、そのタイミングを逃してしまうと、葡萄が過熟して、アルコールが高く、酸度の低いバランスの悪いワインになってしまいます。

さらに収穫機は進化しています。ラルジョルではGPSを駆使した収穫機を導入したと聞きました。

手摘みと機械摘みの併用。今後も楽しみです。

また機会を見て、ドメーヌ・ド・ラルジョルで体験したことや気付きなどをコラムでご報告させて頂こうと思います。

丸山謙二

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