Midoriya Vin Nature
Domaine
ドメーヌ・ショーム=アルノー
コート・デュ・ローヌ地方

ドメーヌ・ショーム=アルノー

Domaine Chaume-Arnaud

【歴史について】
 このドメーヌは19世紀からアルノー家が所有しています。1956年までは主にオリーブと牧畜で生活しており、ブドウ畑は少ししか有りませんでした。
 その後1956年に厳しい寒波に襲われオリーブ畑が全滅してしまい、それ以来ブドウ栽培が主体となりました。

 先代のコレットさんとフェルナンさんはヴァンソーブル村で生まれ育ち、結婚して3人の娘をもうけました。その末娘が現在のオーナー、ヴァレリー・ショーム=アルノーさんです。彼女はブドウ栽培・ワイン醸造学の免状を持ち、ご主人のフィリップさんとは農業高校で出会いました。彼は熱帯・赤道地帯及び地中海沿岸の生態学が専門でしたが、後にともにワイン造りをする事になるのです。

 ヴァレリーさんは1987年、23歳の時に4.5haの畑を引き継ぎ独立。ドメーヌで醸造から瓶詰めを行なうようになりました。当時、両親は協同組合にブドウを卸していました。1989年にフィリップさんと結婚以来、二人三脚で精一杯ワイン造りに励んでいます。

 1995年、コート・デュ・ローヌに新たにブドウ畑を購入し、畑は14haになりました。1996年からはメロンなど他の作物の栽培をやめてブドウに専念する事になります。1999年には両親が引退したため新たに33haを引き継ぎ、より仕事が効率的になるよう設備を充実させました。

 栽培も醸造も、力を合わせて二人三脚で行っています。ヴァレリーさんの3人の子供のうち上の2人も仕事を手伝い、両親も健在で、2人の仕事を支えています。ドメーヌ・ショーム=アルノーでは家族が各自でアイデアを出し合ってワイン造りをしており、ワインはその成果の賜物であると、ヴァレリーさんが語ってくれました。

【地理について】
 コート・デュ・ローヌ地方、ヴァンソーブル村。ローマ時代の遺跡がたくさん残るアヴィニョンの街から北へ約40kmのところにあります。全体的にがっしりとした赤を産出する地域。白・ロゼも産出しています。

 ヴァンソーブルは「Vin(=ワイン)Sobre(節酒)」の意味で、由来には諸説あるが、あまりにも美味しいワインが造られる産地であるため、「ほどほどにせよ」という意味でこのように名付けられたとも考えられています。

【気候について】
 北アルプスから吹き降ろすミストラルの影響で冬は非常に寒いが、夏は温暖な気候。この地独自の特徴として、「ニオフの風」、「ポンチャス」、「ミストラル」など、季節を問わず、四方八方から強い風が吹く。これらの風のおかげで朝晩の気温がぐっと下がるため、酸と糖の両方を兼ね備えた上質なブドウができる。また、この強風が畑の湿気を吹き飛ばしてくれるので、病気の発生が大幅に抑制されるという利点もある。

【土壌について】
 粘土石灰質土壌です。氷河期だった頃、氷河が移動する際に、石灰質の岩盤を削ってできた大きな石が地中7~8mの深さまでゴロゴロ存在しています。これらの石はが日中に太陽熱を貯えて、夜間その熱を放出するため、ブドウはじんわりと良く熟す事ができます。

【栽培について】
 ここでは畑を取り巻く自然の生態系が最も重要だと考え、「Bio-Diversité(ビオ・ディヴェルシテ)=生物多様性」を重んじた栽培を実践しています。

 発芽後の「芽かき」、「針金への誘引」、6月の「摘芽・摘芯」や「過剰果の間引き」など、ほとんどが手作業のため、38haの畑の手入れには膨大な手間が掛かります。栽培はフィリップさんが中心となり、ヴァレリーさんと従業員の男性一人が手伝うほか、繁忙期にはスペイン人の労働者を雇って農作業を行なっています。  

 12月中旬から2月末までは、ブドウを一本一本短く剪定していく作業を、アルプスから来る強風「ミストラル」にめげないよう、かじかむ手をこすりながら毎日続ける。慣れた人でも1日で平均750本をこなすのが精一杯という大変手間のかかる仕事を、冬の間こつこつと続ける。これも「より良いブドウを収穫したい」というオーナー夫妻の熱意があればこそである。

 90年代後半からは有機栽培に切り替え、2003年からビオディナミ農法を実践。畑はみるみるうちに元気になり、5年後くらいからはワインの味わいにも効果が見られるようになってきた。

 ビオディナミや有機農法という言葉が宣伝文句に使われることに抵抗を感じていましたが、ワインを扱うショップや顧客からの要望により、ビオディナミ農法の公的認証機関である「Demeter(デメテール)」に申請しました。その後、何ら栽培を変えることなく2009年に正式認定を受けました。

【収穫・醸造について】
 選果しながら手摘みで収穫。約15人で2週間ほどかけて行います。タンクに入れる前に、もう一度選果します。

 醸造は自生の天然酵母による自然醗酵により行います。強風により寒暖の差が激しく、果皮が分厚いため、醗酵中はピジャージュを行っています。醗酵にも熟成にも樽は一切使わず、ブドウが持つピュアな風味を最も大切にしているのです。

【評価・プレス】
★ワインガイドブック「エダンス」や「クラスマン」にて圧倒的な高評価。

★2002年、パリのワイン専門店が開催したコンクール「カヴィスト・アンデパンダン」にて、「VDPポルト・ド・ラ・メディテラネ・ルージュ」が唯一ローヌ・アルプのヴァン・ド・ペイとして受賞。

★フランスのワイン専門誌「ルヴュ・デュ・ヴァン・ド・フランス」にて、高評価。“ヴァンソーブルを 代表するスター的ワイナリー”として紹介される。

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