シャトー・ド・ランガラン
歴史
シャトー・ド・ランガランは1632年、アンリ・ダンガランによって建てられました。この頃から、既にワイン造りが始まっています。1830年にロラン・ケトン・サン・ジョルジュが畑を30ha以上に広げ、酒蔵を造りました。同氏はランガランを非常に深く愛し、「自分が死んだら、ここに埋葬して欲しい」という遺書を残したほどです。彼は敷地内にある小さなチャペルに眠っています。
1923年にアデリス・ベルトラン氏がこのシャトーを購入しました。以来、家族代々受け継がれ、現オーナー姉妹で5代目です。
現オーナー姉妹の母であるフランシーヌ・グリル夫人。彼女が27歳の時、ご主人のファミリーが所有していたこのシャトーで、ワイン造りをすることを決意しました。「女性がワインを造る」という事が異端と見なされていた時代です。そういったハンデの他、歴史的な悪天候も彼女を襲います。しかし、そういった困難を乗り越え、1978年に初めて醸造元詰めワインをリリースする事が出来ました。現在2人の娘、ディアンヌさんとコンスタンスさんが後を継ぎ、ワイナリーを運営しています。女性がオーナーとなって、彼女たちで3代目を数えます。
コンスタンスさんは、2016年に引退したとの事です。
地理
ラングドック地方の中心都市モンペリエ。その郊外に位置するこのシャトーはコトー・デュ・ラングドック地区サン・ジョルジュ・ドルク村にあります。この地方で最も古い歴史を持つ地域です。
気候
気候分類としては地中海性気候に属しますが、海からも北部の山からも、直接影響を受けない所に位置しています。秋と春に集中して雨が降り、夏には激しい雨を伴う嵐が時々来たりしますが、基本的には晴天が多く非常に乾燥します。
土壌
シャトーヌフ・デュ・パプと似た、丸い小石や赤い砂利の土壌が見られます。(ラングドックでは「グレ」と呼ばれている)。地質第3紀~4紀にかけて、氷河の溶解によって形成された小石の多い段丘地です。水はけの良い土壌ですが、土中の深部には水を通さない泥炭土があり、そこに春に降った雨が地下水として貯えられています。そのおかげで、ブドウの樹は乾燥に耐えながら、凝縮感のある粒を実らせることができます。そのため、とても個性的でスパイシー、また果実味に富んだワインが生まれています。
栽培
農薬をできる限り制限した、減農薬の農法「リュット・レゾネ」を採用しています。2002年には、「自然環境に配慮した栽培・醸造」を基本理念に掲げる、ぶどう栽培者と醸造者から始まった全フランス規模の団体“テラ・ヴィティス”にも認証されました。
収穫
機械摘み70%、手摘み30%。暑いこの地では、ぶどうの腐敗を防ぎ、かつ爽やかな風味を損なわないよう、早朝4~5時頃収穫しています。
評価
★「ギィド・アシェット2021」で、ディアンヌさんがラングドックの最優秀ヴィニュロンを受賞。
★「パリ国際農業コンクール」、「ラングドック・ルーション・グラン・ヴァン・コンクール」、「独立系醸造家ワインコンクール」、「インターナショナル・ワイン・チャレンジ・コンクール」など、様々なコンクールで、毎年、数多くのワインが金賞・銀賞などを受賞。
★「ギィド・アシェット」、「ベタヌ&デソーヴ」など、ワイン通に定評のあるガイドブックに数多く掲載され、三ツ星などの高い評価を獲得。
◆レストランでも人気があり、ミシュランの三ツ星レストランを始め、数々の有名店でオンリストの 実績あり。
《パリ》 タイユヴァン (TAILLEVENT) ★★
アルページュ (ARPEGE) ★★★
アストランス (ASTRANCE) ★★★
ル・ムーリス (LE MEURICE) ★★★
《ガロン》 アレクサンドル (ALEXANDRE) ★★
《リヨン》 ポール・ボキューズ (PAUL BOCUSE) ★★★