Midoriya Vin Nature
Domaine
マルク・ペノ
ロワール地方

マルク・ペノ

ペノ家は1890年頃から、この地でワインを代々造り続けています。当時は通常通りAOCミュスカデを生産していました。
マルク・ペノ氏は始めてまだ間もない頃、仲間の生産者たちと一緒に世界中の白ワインとミュスカデのワインを目隠しで飲み比べた事があります。その結果、自分たちの造るミュスカデの評価が最も低く、その味わいの酸っぱさ、薄っぺらさに驚愕したそうです。ここからペノ氏の挑戦が始まりました。「この地で世界一美味しい白ワインを造ってやろう!」

当時ソムリエをしていた弟を介して、多くの生産者たちと交流しました。とりわけペノ氏に感銘を与えたのが、自然派ワインの先駆者たちです。彼らから多くを学び、また自分でも実験と失敗を繰り返しながら独自の製法を開発し続け、いつしか自然なぶどうの旨味がたっぷり感じられるワインが出来るようになっていました。

しかしその一方で、一般的なAOCミュスカデのワインとの違いは年々大きくなり、やがて官能検査で「ミュスカデらしくない」と判断されるようになってしまいます。旨味があり過ぎるという理由です。それ以来ペノ氏はAOCを捨て、Vin de Table(テーブルワイン)というカテゴリーの中で本物のワイン造りを行っています。

マルク・ぺノ氏が栽培・醸造を執り仕切る「ドメーヌ・セネシャリエール」は、フランスの北西部を流れるロワール河の下流、ナントという街の周辺に在ります。

大西洋の影響を受ける海洋性気候で、冬の寒さは穏やかで、夏は乾燥した気候です。ミュスカデ地区は北にロワール河、南にセーヴル川とメーヌ川が流れており、この地区特有の気流によって、雷雨が発生しにくいミクロクリマ(微気候)となっています。

畑は砂利や岩が多く、片板岩(シスト)を含んだ土壌で構成させています。フランスは大部分が石灰質土壌ですので、このシスト土壌は非常に珍しいです。ここで育つブドウは、ミネラルが豊富で酸味がシャープな味わいになります。

比較的雨の多い産地という非常に難しい条件の中、農薬や化学肥料を一切使わない有機栽培を実践し、畑の微生物を死滅させることなく、生命力のある生きた土壌を保っています。

ペノ氏は、その土壌にしっかり根を張った樹齢の古い樹を非常に大切にしています。その根が地中深くから吸い上げてくるミネラルや養分を、1つ1つの粒に出来る限り凝縮させるため、収穫量を極端に落としています。

ミュスカデ地区では、採算の都合上、90%の蔵が機械摘みです。しかしペノ氏は健全な果実のみを選び、全て手摘みで行っています。その上、株や房によって熟度に差がある年には複数回に分けて収穫するという徹底ぶりです。運搬には小さな箱を用い、ぶどうの重みで粒がつぶれないよう気を遣っています。
収穫時にも醸造時にもSO2(亜硫酸)を使用しません。培養酵母も添加せず、天然酵母による自然な醗酵を利用しています。

ワインガイドブック「ヴァン・エ・ヴィニョーブル・エ・ヴィニョロン」(エレボーレ社)にて高評価。ワインファンに定評のある「ギィド・アシェット」にて高評価を得ています。
※コンクールには一切出展していません。ペノ氏のワインの醗酵・熟成期間が長いため、出展時期に間に合わないそうです。

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