ジェラール・シュレール・エ・フィス
Gérard Schueller et Fils
歴史について
ワイン造りに関してはフランス革命の頃から200年以上もの永い歴史を持っています。
1958年までは栽培したぶどうを協同組合に販売していましたが、ジェラール氏の代から自社で醸造するようになりました。栽培・醸造を含め、経営全般を担っているブルーノ氏は1982年から参加しています。以来、AOCの枠にとらわれず独自の考えに基づいたワイン造りを行ない、「アルザスワインの常識」を覆すオリジナルな味わいのワインを生み出し続けています。
地理について
アルザス地方は、フランスの北東部に位置するヴォージュ山脈の支脈上、ドイツとの国境沿いにあります。葡萄畑はそのヴォージュ山脈の東斜面の丘陵地帯を中心に広がるりますが、この斜面はまさに日当たりの良いバルコニーのようで、葡萄栽培に大変重要な役割を果たしています。
この蔵元はコルマールから少し南に位置するHusseren-les-Châteaux(ユスラン・レ・シャトー)村にあり、畑は日照にすぐれた東~南東向きの斜面という好立地条件を満たしています。
またコルマールは、フランスでも最も乾燥した産地の一つですが、これはヴォージュ山脈がこの地を北西からの激しい雨や風から守っているためです。
気候・土壌について
フランスの葡萄栽培地の中でも特に乾燥した地方で、年間降雨量は南仏のペルピニャンに次いで2番目に少ない。葡萄造りに非常に適した産地と言われている。石灰質土壌中心。粘土石灰質土壌の畑もある。
栽培について
この蔵では、化学肥料や殺虫剤などの化学物質を使わない「ビオディナミ農法」を行なっています。しかし、いくらブドウ栽培に適しているアルザス地方でも、天候によって「ビオディナミ」の手法だけでは病気を抑えることができず、やむを得ず殺虫剤などが必要になる場合があります。ジェラール・シュレールのような家族経営の小さな蔵元にとって、ぶどうを全て台無しにするようなリスクは負えないため、ブルーノ氏は最後の手段を残しておきたいとの考えから「ビオディナミ」の申請をしていません。
病気対策として、イラクサやトクサなどの煎じ薬、そして必要であれば硫黄やボルドー液を使った昔ながらの方法で対処し、畑の生態系を大事にした栽培方法を守り抜いています。
施肥については、6~7年に1度に抑え、勿論、堆肥は牛糞から作った有機肥料を使用し、痩せた土壌でぶどう樹のバランスがとれるよう最大限に注意しています。
区画によって肥えた土のところは、草を生やしてぶどうと競合させ樹勢のバランスを調整するなど丁寧な作業を根気良く行なっています。 ブドウの収穫は選果しながら手摘みで行います。